年々深刻化する地球環境温暖化の対策として世界中の国や企業が取り組んでいるのが、脱炭素社会「カーボンニュートラル」の実現です。一方、個人でもカーボンニュートラルの実現を後押しできることはたくさんありますし、これまでの生活を見直すことで生活費の削減にもつながるケースは少なくありません。
今回は、環境省が掲げる「ゼロカーボンアクション30」から、社会全体が取り組むべき事項と個人が継続できるエコな行動について紹介します。
世界が目指す脱炭素・カーボンニュートラルとは?
気象庁によると1850年以降の地球の平均気温は1度上昇しており、近年、世界中で頻発している異常気象の一因になっていると考えられています。このような課題に世界各国で取り組むために採択された「パリ協定」に則って、120カ国以上が世界の平均気温を産業革命以前と比べて2度より低く維持し、1.5度までに抑える努力をすることを共通目標として活動しています。
カーボンニュートラルはパリ協定の目標を達成するための重要な要素で、石炭や石油、天然ガスといった炭素を含む資源からエネルギーを得る際に排出される「温室効果ガス」がゼロになる社会づくりのことをいいます。
カーボンニュートラルのポイント1:対象は二酸化炭素だけでない
削減すべき「温室効果ガス」には、これまでも地球環境温暖化の大きな要因とされていた二酸化炭素に加え、メタンや一酸化二窒素、各種フロンガスなども含まれています。日本におけるカーボンニュートラルは、これらすべてを実質的に排出ゼロとなる社会を目指しています。
カーボンニュートラルのポイント2:排出量をゼロにするわけではない
化石燃料を利用して生み出すエネルギーは、現代社会にとって欠かせない存在です。そのため排出量をゼロにすることは現実的ではありません。カーボンニュートラルは植物や海藻などが温室効果ガスを吸収する量を差し引いた値がゼロになる程度まで、炭素資源依存から脱却することを意味しています。
出典:環境省「カーボンニュートラルとは」
なぜカーボンニュートラル?気候変動が原因?
なぜ世界の多くの国々がカーボンニュートラルを掲げるのでしょうか。環境省は地球温暖化がこのまま進行すれば、世界中で農林水産業、水資源、産業・経済活動などに大きな悪影響を及ぼす「気候危機」と捉えています。つまり、これまで地球温暖化の説明で用いられてきた「気候変動」よりも重大な状況というわけです。
そして、温室効果ガスは気候危機に直結する一大要因であり、日本においては約6割が消費活動で発生するとされています。そのため、国と企業、個人がカーボンニュートラルという目標に向かって、それぞれができることを主体的に行う必要があるのです。
出典:環境省「カーボンニュートラルとは」
私たちもできる行動「ゼロカーボンアクション30」とは?
カーボンニュートラルの実現のために消費者や個人ができることについて、環境省は「ゼロカーボンアクション30」を作成して普及を図っています。
ゼロカーボンアクション30では、一般的な生活における8つのシーンで行うべき30のアクションが提示されています。まずはその概要を確認してみましょう。
■電気エネルギーなどの節約と転換
1.再エネ電気への切り替え
2.クールビズ・ウォームビズ
3.節電
4.節水
5.省エネ家電の導入
6.宅配サービスをできるだけ一回で受け取る
7.消費エネルギーの見える化
■住居関係
8.太陽光パネルの設置
9.ZEH(ゼッチ)
10.省エネリフォーム
11.蓄電池・蓄エネ給湯機の導入・設置
12.暮らしに木を取り入れる
13.分譲・賃貸も省エネ物件を選択
14.働き方の工夫
■移動関係
15.スマートムーブ
16.ゼロカーボン・ドライブ
■食関係
17.食事を食べ残さない
18.食材の買い物や保存等での食品ロス削減の工夫
19.地元や旬の食材を利用した健康的な食生活
20.自宅でのコンポスト
■衣類とファッション
21.今の服を大切に長く着用する
22.長く着られる服を購入する
23.環境に配慮した素材の服を選ぶ
■ごみ削減
24.マイバッグやマイボトルなどを使う
25.修理や補修をする
26.フリマやシェアリングを活用する
27.ごみの分別処理
■買い物・投資
28.脱炭素型の製品とサービスを活用
29.個人のESG投資
■環境活動
30.植林やゴミ拾い活動に参加する
出典:環境省「ゼロカーボンアクション30―日常生活における脱炭素行動と暮らしにおけるメリット」
カーボンニュートラルの取り組みでどんなメリットがある?
ゼロアクションカーボン30では、環境のためだけではなく、個々人の暮らしをより豊かにできる取り組みがピックアップされています。
電気エネルギーなどの節約と転換
脱・炭素社会における重要なエネルギーや資源に関わる生活シーンの見直しが、ゼロカーボンアクション30の最初のカテゴリにまとめられています。それぞれを見直すことで光熱費の削減といった生活コスト削減にもつながるので、消費者にとってもメリットは少なくありません。
住居関係
省エネ物件によって光熱費をはじめとした生活コストの削減や、太陽光パネル・蓄電池の設置による生活コストの改善を図れます。
移動関係
カーシェアリングなど必要な時にだけ車を利用することで、徒歩や自転車など健康的な移動の機会が増えるほか、税金などの負担も軽減できます。
食関係
計画性のある買い物や適量の注文を心掛けることで、食費の節約や自身の健康維持につながります。また、食べ残しの持ち帰りやフードバンクなどへの寄付によって、食品ロスの削減を意識することも重要です。
衣類、ファッション
衣類は大切に着用する、衝動買いを避けることを意識することで、消費サイクルが伸び出費を抑えることができます。染め直しやリメイクなど手を加えることでQOLの向上も実現できます。
ごみの削減
不要になった思い出の品でも、ごみとして処分するのには抵抗のある方も多いのではないでしょうか。その場合はフリマアプリなどを活用することで、環境面に配慮しつつ自身の収入もプラスになります。また最近は、スーパーやコンビニにペットボトルや紙類を持ち込むとポイントが貯まるサービスも増えています。
買い物・投資
ESG投資を行うことで気候変動対策に取り組んでいる企業を支援できます。また、脱炭素型の製品を購入すれば、市場への供給量が増えて商品の多様化や低価格化につながるでしょう。
環境活動
環境への意識が高いコミュニケーションに参加することで、人とつながれる機会が増えます。
出典:環境省「ゼロカーボンアクション30―日常生活における脱炭素行動と暮らしにおけるメリット」
カーボンニュートラルの取り組みはできることから始めましょう
世界が推進するカーボンニュートラルの実現と個々が行うべきアクション「ゼロカーボンアクション30」について紹介しました。気候危機は、後世だけでなく現在を生きる私たちの生活にも影響を与える可能性がある社会問題です。企業や国だけでなく、個人も積極的にカーボンニュートラルの実現に取り組む必要があるでしょう。
とはいえ、無理な取り組みは継続が難しいため、できるところから着手することも大切です。「何から始めていいか分からない」という方は、ぜひ環境への取り組みと生活コストの削減を両立しやすい「新電力への切り替え」を検討すると良いでしょう。
例えば、住友商事が100%出資するサミットエナジーでは、「nanaco再エネECOプランby酒田」を提供しています。本プランでは100%再生可能エネルギー由来の電気を供給。ご家庭のカーボンニュートラル実現に貢献します。さらに、東京電力エナジーパートナー(従量電灯B)よりも料金単価を低く設定。電力使用量が多いほどnanacoポイントも貯まって、よりお得になります。
どのくらい安くなるのか知りたい方は、インターネットで簡単に料金を比較できる「電気料金シミュレーション」を使って安さを実感してみましょう。
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